2026.03.26
結婚式のかたちは ひとつじゃない
(司会:犬塚 麻衣さんより)
結婚式の司会という仕事をしていると、本当にたくさんの結婚式に立ち会わせていただきます。
どの一日もかけがえのない時間ですが、その中でも今でも思い出すたびに心が温かくなる結婚式があります。
それは、元女性の方と女性の方、お二人の結婚式でした。
この時代、「多様性」という言葉を耳にする機会は増えましたが、実際にその大切な一日を司会としてお手伝いさせていただいたことは、私にとってもとても特別な経験でした。
そして何より、お二人が本当に素敵なカップルだったのです。
お互いを思いやる優しさと、周りの人を自然と笑顔にする温かさ。
打ち合わせを重ねるたびに、
「このお二人の一日を、心から素敵な時間にしたい」
そんな想いが、私の中でもどんどん強くなっていきました。
そしてお二人から、ひとつだけはっきりとした希望がありました。
「私たちのこれまでの人生の背景もあるからこそ、涙涙の結婚式にはしたくないんです。」
「とにかく、みんなで楽しく、笑いがいっぱいの結婚式にしたい。」
その言葉の通り、お二人は結婚式の構成にもとても素敵な工夫を取り入れました。
通常、披露宴のクライマックスで行われることが多い親御様への感謝のセレモニー。
それをあえて、パーティーの前半に行ったのです。
会場があたたかな空気に包まれる中、ゲストやご家族へ感謝を伝えるとても素敵な時間。
そのシーンを終えると、お二人はそのまま中座されました。
そして後半は一転して、ゲームなどを取り入れながら会場中が笑顔に包まれる時間に。
笑い声が絶えない、とても楽しいパーティーになりました。
気がつけば、会場のあちらこちらで笑顔が広がり、あたたかな空気に包まれたまま最高のフィナーレを迎えました。
パーティーのあと、ゲストの皆さまが口々に
「本当に素敵な結婚式だったね」と
お話しされていた姿もとても印象的でした。
そして後日、新郎新婦のお二人からこんな言葉をいただきました。
「正直、最初は結婚式って本当に必要なのかなと思っていました。でも、どの場面を切り取っても心が温かくなる瞬間ばかりで。」
「大切な人たちがみんな笑顔で、同じあたたかな時間を共有できたことが本当に幸せでした。結婚式が、人生の宝物になりました。」
その言葉を聞いたとき、司会としてこの仕事に携わっていることを改めて嬉しく思いました。
結婚式には、決まった形はありません。
どんなお二人にも、そのお二人らしい一日があります。
そして大切な人たちと心を通わせる時間は、きっとこれからの人生を豊かにしてくれるものだと思います。
結婚式は、いろんな人がいろんなスタイルでできるとても自由で、とてもあたたかいもの。
そんなことを改めて教えてくれた、忘れられない一日でした。